10年ぶりの「同志」との再会。二人が人生をかけて探求するコミュニティとは
未来へのワクワクと不安に満ちた最高におもしろい時代に、最高に無謀な探求を続けるGaudiy社員に話を聞くシリーズ「#今こそ無謀に」。
今回は、プロダクト戦略やUXの全体設計に携わっている、プロダクトオーナー(以下、PO)の宮田さん、PO室の坂田さんに話を聞きました。
かつて同じ学び舎で勉学を共にし、同じ会社で働いていたことのある二人。それぞれどのようなキャリアを経て、Gaudiyで再会することになったのか。また現在、Gaudiyでどのような探求をし、何を感じているのか。詳しく伺いました。
※本記事の内容、プロフィールは取材時点(2023年3月末)の情報です。
デザイン思考の講義での出会い
ーーお二人は、大学時代からの付き合いなんですよね。
宮田:2007年頃からです。私は慶應義塾大学SFCの大学院生で、坂田さんは同大学の大学生でした。同じ講義の同じチームだったこともあって。覚えてます? 当時のこと。
坂田:もちろん覚えていますよ。グループワークでしたよね。4人チームで。
宮田:そうそう。デザイン思考の講義で、今の仕事につながるような内容だった。
ーー交友関係もあったんですか?
宮田:それは全然ないです(笑)。ただSFCには当時からデザイン思考が好きな人たちがいて、ゆるいコミュニティみたいなものがありました。共通の知人がいたり、mixiでつながっていたり。少なくとも坂田さんのことはずっと認識していました。
坂田:当時はまだデザイン思考に興味を持つ人が非常に稀で。だから私も宮田さんのことは認識していました。
宮田:坂田さん、大学卒業後にShibuya UXというコミュニティを運営されていらっしゃいましたよね。
坂田:はい、新卒で楽天に入社して、働きながら運営に携わっていました。
宮田:私は当時NTTでUX組織の立ち上げを行っていて、Shibuya UXが開催するセミナーに参加したり、発信している情報を見たりして、勉強させてもらっていました。だから坂田さんのことは先生みたいに思っていて。
坂田:そうでしたね。その後、2012年に宮田さんが中途入社されたので、びっくりしました。
宮田:そうそう。楽天に入ってからも担当チームは違いましたが、編成部という部署が同じで。しかもUXディレクターというロールも同じでした。だからミーティングでご一緒する機会は多々ありましたね。
坂田:同じ職種の人は7、8人ぐらいしかいませんでしたね。お互いに同志みたいな感じで、切磋琢磨していたなと思います。
宮田:楽天はメガベンチャーで、もちろん新しいことに積極的にトライしていた一方で、当時は結構縦割りなところもあって。業務の進め方に課題感のある人も何人かいたんです。坂田さんも、その「やり方を変えていきたいよね」という思いを持つ、同志の一人でした。
ーーお互いに「同志」と感じていた、と。
宮田:あと当時の坂田さんは、すごく尖っている印象でした。若いのに意見をバシバシ言ったり、仕事もゴリゴリにやっていたので。それに帰国子女で、海外のUX系の情報もたくさん持っていた。業界の中でも随一と言っていいくらいでしたよ。だから、とても参考になるなと思っていましたし、年下なのにすげぇな、怖ぇなと(笑)。
坂田:いまでもそうですけど、宮田さんもそういうタイプですよね。何かあれば黙っていないタイプ(笑)。
宮田:お互いに「こうしていきたい」というビジョンがあって、そこに向かって本気で探求し続けるタイプですよね。結果、転職を何回か経験して、今に繋がっている。楽天時代はその一歩目だった気がしています。
誰もが生きやすく、ハッピーな社会にしたい
ーーお二人のビジョンが気になります。
坂田:「社会にインパクトを与えるようなサービスを作りたい」という思いがずっとあります。今の時代を生きる人々の生活を豊かにできるような。そして今の子供たちが大人になる何十年後の世界が、もっと豊かになるような。そういったサービスを作れたら、自分にも、自分の家族にも還元されるので。
社会にインパクトを与えるサービスには、大きく分けると二つあると思っています。ひとつは、すでに顕在化しているニーズに応えるサービス。もうひとつは、表面化していない潜在的なニーズに応えるサービス。俗にイノベーションと呼ばれるものですね。
私が特に注力したいのは後者です。正解がないですし、予想するのも困難で、やってみないとわからないところがある。だからこそ探求しがいがあるし、価値があると思っています。
宮田:坂田さんよりも、私はもっと自己中心的なビジョンかもしれない。自分が生きやすい、自分の納得感のある世の中にしたいという思いが強くあります。ただそれは、独善的に考えているわけではなくて。
自分自身が、変わった性格だったり行動パターンだったりを持っているマイノリティな人間なんですね。そういう人間でも生きやすく、楽しいと思える社会にしたい。
例えば、多くの人は仕事を我慢してやっていると思うんです。必要なお金を稼いで、プライベートで楽しい時間を過ごすために我慢する。それはそれでひとつの考え方でいいと思います。
ただ私はわがままだから、できるだけ我慢したくない。仕事の時間も楽しく過ごしたいんです。そんな自分と同じような考えの人たちはどこかに少なからずいるはずで。そういう人たちがハッピーに生きられる社会にしたいと小さい頃からずっと思っています。
本音と建前が一致する、ストレスレスな組織
ーーお二人とも「より生きやすい社会にしたい」という思いがあるわけですね。その思いを実現させるためにより良い環境を探求し続けて、Gaudiyにたどり着いた。
宮田:そう。より良い環境を探求し続けた結果、大手企業やスタートアップを渡り歩くことになった。そしてGaudiyと出会ったときに、ここが最適な環境かもしれないと思ったんです。
その要因はいくつかあるんですが、ひとつは「本音と建前が一致していたこと」でした。
私は、社会というものの最小単位は、コミュニティだと考えていて。つまりハッピーに生きられる社会にするために最初に着手すべきなのは、コミュニティなんですね。ただ一方で、マネタイズが難しい領域でもあります。
だからこそ、コミュニティをなんとかしようとしている会社は非常に少ない。でも、Gaudiyはビジョンとして「ファン国家」を掲げているし、本気で、かつ現実的にビジネスモデルもきちんと考えた上で経営をしている会社だと思ったんです。
「ビジョンはあるけど、現実は厳しいから、一旦は稼がないとね」みたいな会社が多い中で、本音と建前を一致させることに代表の石川がこだわっているのを面接で聞いて。実際に入社してみて、言行一致である組織というのは非常にストレスレスで、働きやすいと感じますね。
坂田:私もGaudiyに入社を決めた理由はいくつかありますが、代表の石川の確固たる思いというか、絶対にやり切るといった意思の強さに惹かれた部分もあります。単なるビジョナリストではない。
きちんとビジョンを実現するために、どのようなロジックを組んでやるべきなのかを考え、実行に移している。面接で代表の石川と話す中で、その本気度合いが伝わってきたんですよ。
ーービジョンとアクションに乖離がないと。
宮田:全くないというわけではありません。ただ、ほぼほぼない。Gaudiyが、まさにハッピーなコミュニティの最たるものとして設計されているんです。ファン国家を創造したいなら、自分たちの会社がまず小さなファン国家じゃなきゃおかしいよねというロジック。
だから仕事自体が楽しくなる仕組みがたくさんあるんです。例えば、蠱毒(こどく)。これは石川代表が考えたもので、シンプルに言えば「時間制限つきのディベートバトル」です。意思決定のスピードと質を上げるための仕組みですが、これがエンタメ要素満載でゲーム性がある。
坂田さんや私がいるシニアチームと若手チームで蠱毒をしたことがありましたが、若手チームは私たちの弱点まで研究してきてて(笑)。エンタメなんですけど、それくらいお互いが勝つために本気でやり合うんです。
結果、実際にプロダクト開発に活かせることもありましたし、今までにないぐらいの刺激を得られました。こういったゲーム性やエンタメ要素のあるルールや仕事の進め方みたいなものが、Gaudiyにはめちゃくちゃある。しかもそれが、ビジョンにちゃんとつながっているから納得感もあるわけです。
坂田:蠱毒のような緊張感のある挑戦が常にありますよね。毎週、何かしらの変化が起きている。週次ミーティングや全社定例ミーティングがあるとドキドキして(笑)。常にハイな状態を保っているというか。
宮田:一瞬たりとも予定調和がないんですよ。おかげで会社にいる感じがしない。Gaudiyがひとつのメタバースみたいな。バーチャル空間の中でいろいろなゲームがあって、それを楽しんでいたら、いつの間にかクリエイター・エコノミーが生まれている。それと近い感覚があります。
坂田:緊張感があって飽きない。そういう環境ですね。
宮田:緊張感がないと楽しくないですから。
阿吽の呼吸で、ファン国家の探求へ
ーーそんな環境の中で、お二人が現在担っている役割はどのようなものですか?
宮田:私がPOで、坂田さんはPO室で一緒に働いています。まだ調整中の部分もありますが、私と坂田さんの役割は大きくは変わりません。プロダクトの全体戦略の策定やチームマネジメントを担っています。
坂田:ファン国家や、生きやすい社会を作るというWhyの部分は重なりますが、Howの部分では違いがもちろんあります。例えばUXデザインの領域だったら自分とか、プロダクトマネジメントの領域であれば宮田さんとか。お互いが何をやりたいのかはわざわざ説明しなくても、さまざまな領域に関わってきた二人だからこそ、わかります。
宮田:阿吽の呼吸でやれているイメージですかね。入念な打ち合わせをしなくても、臨機応変にプロダクトも、マネジメントも二人で行えている。明確にロールを分けなくても、お互いのやっていることを尊重できるというか。
坂田:そうですね。だから個人的には、仕事のパートナーに近いなと。
宮田:うんうん、そうなんですよ。だから、坂田さんがジョインしてくれて、本当に嬉しかったですね。ありがたかった。大きな課題がいくつもあって、POとしてあらゆることを決めなきゃいけない中で、一人だとしんどいし、考え方が合わない人とやると上手くいかないし。だから坂田さん以上の適任者はいないな、と。
ーー学生時代からの同志だからこそですよね。Howの部分には違いがあるという話がありましたが、具体的にお二人がいま探求されていることは?
坂田:二つあります。ひとつは、ファンの人たちが安心して活動するためのコミュニティを設計すること。そもそも安心とはなんだろうというところから、いま探求しています。
世間では「推し活」と言われていますが、推しがいることで救われる人ってたくさんいると思うんですね。推しのために明日も頑張ろうみたいな。自分自身も推しがいて、救われている。だから推し活をもっと安心してできる世の中になれば、それだけ生きやすくなる人も増えるはずです。
もうひとつも「安心」というキーワードに繋がるのですが、技術がすさまじいスピードで発展する中で、どうすればシンプルなユーザー体験を生み出せるのか、ということも探求しています。今だとChatGPTがその最たるものだと思いますが、そういった先進的な技術に対して、ハードルが高いと感じる人も一定数います。
GaudiyのプロダクトはNFTやブロックチェーン技術を活用していますが、そういった先進的な技術を、ユーザーに感じさせないことが重要だと考えていて。先進的な技術に関する知識がなくても安心して、自然と使える設計にする。これは非常に難易度が高い。
だからこそ挑戦している企業は少ないんですけど、Gaudiyはそこに積極的に挑戦している企業なので、私も力を入れて探求しています。
宮田:坂田さんがおっしゃったことには全く同感です。その上で、私はファン国家を創るためのロードマップを組んでいるような感じですかね。あとは、どうやってサステナブルな組織にしていくのか、稼いでいくのかというところの探求。ユーザーに喜んでもらえるプロダクトを作るのはもちろんのことですが、それだけで稼げるわけではないし、組織を維持できるわけではありません。
本気でファン国家を創るためには、ユーザーも、社会も、そして我々も三方良しになるような仕組みが必要です。そういったプロダクトマネジメント的な部分に私は注力しています。坂田さんがUXデザイナー的なHowだとすると、私はPO、PdM的なHowですね。
資本主義で負けても、幸せに生きられる社会を
ーーファン国家というビジョンに本気で向かっているからこそ、難易度が高いと。
宮田:ビジョンに向かってプロダクトをどうしていくべきなのか、サステナブルにするにはどういうビジネスモデルがいいのか。これまでの会社であれば一旦、優先順位を下げていた部分だったのですが、Gaudiyではまさにそこが主戦場なんですよ。
ビジョンとお金というある意味で両極端なものを、どう両立させるかを探求するのが私の仕事です。難しくて苦しい時もあるけれど、楽しみつつ存分に探求できるので、それがめちゃくちゃ面白いし、勉強になっています。
坂田:時代の変化にあわせて、組織全体が怖いくらいのスピードで変化していくからこそ、変化を肌で感じるようになりましたよね。故に自分自身も変化をしていかないと、時代についていけないんだなと。それに組織全体の変化は理にかなっていて、納得感がある。ビジョンに向けて、どんどん挑戦していっている感じがして、ワクワクする。
宮田:ビジョン実現のためにこれはやった方がいいよね、というものがあれば、シンプルに挑戦できる環境ですね。ある意味、めっちゃクレバーな学生ノリの会社と言えるかもしれません。学生って「やりたいよね、だからやろうよ」みたいなノリと勢いがある。
そういう衝動的な動き方をより洗練された形でやっていっているのがGaudiyだなと思います。だから、すごい若返るというか。本当に学生時代みたいに探求している。探求がGaudiyでやることなんですよ。探求以外のアクションは何もないです。
ーー今後、探求したいテーマは何かありますか?
宮田:根本的な私自身の探求は、自分が生きやすい社会を作ること、社会をハッピーにすること。その上で、いま関心が高いテーマはAIです。
このままだと恐らくAIを運用している会社が、資本主義社会のトップに君臨すると思います。そうなった時に、ユーザー側は間違いなく勝てない。資本主義で言うと、負けてしまうわけです。
勝ち負けだけで見ると、負けるのは悪いことのように思えますが、それでも幸せに生きることはできるはずです。その幸せに生きる方法のひとつがコミュニティだと考えています。
所属することで資本主義的な価値以外の価値を享受でき、幸せに生きられる。そういうコミュニティを作っていきたいし、運営していきたい。そこにAIは活用できると思うんですよね。しばらくの間はAIという分野を重点的に探求していきたいと思っています。
坂田:私としては今の世代はもちろんのこと、下の世代やさらにその下の世代が生きやすい社会をどのように作るかということが探求テーマです。人々が幸せに生きるためにはいろいろな変数があると思うんですよね。
宮田さんがおっしゃるようにAIは間違いなくあるだろうし、環境問題もあります。そういった色々な変数がある中で、うまく社会に溶け込んでいくような、自然とみんなが使えて生活しやすくなるようなプロダクトを探求していきたい。
私が関わったプロダクトが社会に溶け込んでいて人々が快適に暮らしている。その様子を見て、「生きててよかった」と思いながら死んでいきたいと考えています。そこが最終目標ですね。
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