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二度の起業失敗からの奮起。エンジニアから転身した若手PdMが手にしたもの

未来へのワクワクと不安に満ちた最高におもしろい時代に、最高に無謀な探求を続けるGaudiy社員に話を聞くシリーズ「#今こそ無謀に」。

2021年にエンジニアとしてGaudiyに入社し、その約1年後、プロダクトマネージャー(以下、PdM)に転向した三島 和人さん。現在では大型IPとのプロジェクト推進をリードする三島さんに、エンジニアリングを始めた経緯から、二度の起業経験、Gaudiyでの無謀な探求まで詳しく伺いました。

三島 和人 | Kazuto Mishima @kaa_a_zu
16歳の頃にエンジニアとして仕事を始め、国内大手企業や海外企業での就労、2度の起業を経験。友人を通じてGaudiyを知り、2021年にエンジニアとしてGaudiy入社。Web全般やアプリ用のSDK開発などに携わった後、よりアウトカムが出る開発を行うため、組織体制の改善を推進。現在はPdMとして、数値やユーザーの声を聞きながら機能の提案〜開発に携わる。2023年3月、株式会社バンダイナムコエンターテインメントが開発を進めるガンプラファンコミュニティの機能開発のリードを担当。2023年5月、代表選挙によって新POに選出。


ハッカーに魅せられ、インターネットの世界へ

ーー幼少期から、インターネットが好きだったと聞きました。

僕の父はエンジニアで、大のパソコン好きなんです。その影響で、幼少期からパソコンに触れる機会が多くて、インターネットは常に身近な存在でした。そんな環境で育ちながら、小学生の頃に「アノニマス」という存在を知って。これが僕にとって大きな転機になりました。

アノニマスは、その名のとおり匿名で行動するハッカー集団なんですが、2010年から2011年に起きた「アラブの春」と呼ばれる国際的な民主化運動で、独裁政治の闇を暴いたんですよね。アノニマスのハッキングのおかげで、弾圧下にあった人々が解放された。

それまで僕は「ハッカー=悪」だと思っていたんですけど、「インターネットの力を使えば、政治とか社会とか、世界も変えられるんだ」って思ったんです。当時は、純粋にハッカーになりたいと思ってプログラミングを学び始め、工業高校に進学しました。

プロダクトマネージャー 三島 和人さん

ーー社会を変えるため、ハッカーになりたかった。

いや、今思うと、これは社会のためじゃなくて自分のためだったなと思っていて。周囲からかっこよく見られたいとか、モテたいとか、こいつすごいって思われたい気持ちが根底にあったな、というのが正直なところです(笑)。

だから、社会を変えたいというよりも「社会を変えられる力を持てるなんてすごい」みたいな、ある種の厨二病みたいな考えだったと思います。とはいえ、個人でも社会を変えられる武器を持てるってすごいじゃないですか。武器を持っていないと社会から淘汰されてしまうし、逆に武器さえ手に入れば、なんでもできると思っていました。

二度の起業、そして失敗

ーーその後、フリーランスのプログラマーとして働き始めていますよね。

はい。父に「ホームページを作ってみないか」と仕事に誘われたのがきっかけで、高校2年生の時にフリーランスになりました。当時は、飲食店のアルバイトなどもしていましたが、知人経由の案件などを請けるうちに、プログラミングの方が稼げるなって。そしてなにより、自分が好きなことでお金をいただけることが嬉しかったんですね。

ただ、エンジニアとして複数のお仕事をさせていただく中で、徐々になんかこれじゃない感が出てきて。「人生をかけてやりたいか」と問われるとそうじゃない。

僕は結局、モノを作るだけじゃなくて、使ってもらえないと楽しくないなと思ったんです。やっぱり「ありがとう」とか「いいね」って言ってもらえる方が嬉しいなと。

そのためには、何が求められているのか、どうやってサービスを売るのかを知らなさすぎる。そう思って、大学ではプログラミングではなく、経営学を専攻しました。

ーーそして、学生起業に至ったんですね。どんな事業をしていたんですか?

一度目の起業は、大学3年生の時です。一時期、フリーランスの案件で海外に居住しながら働いていたんですが、たまたま依頼者の方と仲良くなって「このアイデアめっちゃいいね、一緒に働こうよ」と誘っていただき、アメリカで起業しました。

当時作っていたのは、"オフラインイベントで会いたい人に会える"マッチングアプリです。100人、200人規模のオフラインイベントでは、なかなか知り合いや会いたい人を見つけづらいですよね。そのペインを解消するようなサービスを作っていました。

プロダクトの検証を進めながら、Y Combinatorのアクセラレータープログラムの準備などを進めていたんですが、ちょうどコロナ禍になってしまって。オフラインイベントが見事になくなったのと、僕自身も帰国することになったため、会社を畳まざるを得ませんでした。

帰国後は、東京で別の知人と会社を立ち上げました。これが二度目の起業です。この時は、Z世代向けのアンケートサービスを開発していました。

企業が実施するアンケートって、それに「回答したい」と思って答える人はほぼいなくて、「Amazonギフト券がほしい」みたいなインセンティブ目的の人が多いんですね。実際、正確に回答する人は5%しかいないという統計もあるほど、適当に答える人が多いんです。そんな中で、企業側はアンケート調査に多大なコストを払っているという課題がある。

そのソリューションとして、心理学に基づいたUXを取り入れることで、正確な回答を促すアンケートサービスを作っていました。

ーーすごく筋が良さそうなサービスですね。

実際、このサービスは結構うまくいってたんです。ただ、あるタイミングで、共同創業したメンバーと意見が対立してしまって。その彼に会社を渡すことになったのですが、他の開発メンバーも辞めていってしまい、結局リリース前にクローズしました。

この経験から、組織にも目を向け始めるようになりましたね。開発組織は、ITサービスを提供している企業にとって「エンジン的な存在」であるな、と。後にGaudiyで、エンジニアからPdMにジョブチェンジした理由にもつながっていると思います。

三度目の起業より、未知のワクワク感があった

ーーそこから、Gaudiyとはどのように出会ったのでしょうか?

2社目でデザイナーを探しているときに、知人から「いいデザイナー知ってるよ」と紹介された人がいて。それが実は、今もGaudiyで一緒に働いているTORAJIROなんですよ。当時、残念ながら引き抜きはできなかったのですが…(笑)。そこで初めて、Gaudiyの存在を知りました。

そして、自分が前職を辞めたタイミングで、今度は逆にTORAJIROに声をかけてもらい、代表の石川さんと2時間くらいお話しさせてもらいました。

当時の印象は、正直、石川さんの言っていることがよくわからなかったです(笑)。

それまでも色んな人と会ってきたので大抵のことは理解できたんですけど、石川さんの話は本当にわからなかった。でも、できたらいいな、ワクワクするな、というのはすごく感じて。それをどう実現できるのかが全然わからなくて「ああ、すげえ人だ」と思いました(笑)

ーーよくわからなさすぎて逆にワクワクした、と。

なぜワクワクしたかというと、ふたつ共感した部分がありました。

ひとつは、Gaudiyがエンタメ領域から本気でグローバルを目指していたこと。海外で活躍する日本企業はまだまだ少ないと思ってて、そこに挑戦したいという思いがずっとありました。その中で、日本の武器はやはり「和の文化」や「エンタメ」だと感じていたので、めちゃくちゃ共感しましたね

もうひとつは、ブロックチェーン技術を活用していた点です。ITサービスがすでに世の中に溢れている中で、今後、新しい価値のあるサービスを作るのはなかなか難しい。そのためには「技術」が強い変数になるなと感じていたので、ブロックチェーンは興味ある分野のひとつでした。

僕は石川さんよりもずっとビジョンの解像度は低い状態でしたが、土台となる思考の要素は共通していると感じて、Gaudiyだったら本気で世界に行けるんじゃないかとワクワクしました。

ーー三度目の起業をしようとは思わなかったんですか?

思わなかったですね。正直、二度も失敗して自信がなくなっていた部分もあったと思います。ただ、年齢的に考えてもまだまだチャンスはあるし、次は大企業でスキルをもっと磨いてから起業しようと思っていたんですけど、Gaudiyのワクワク感には勝てなかったですね(笑)。

組織を変えたくてエンジニアからPdMへ転身

ーー2021年8月に入社されてますが、最初はエンジニアでしたよね。それから約1年後にPdMに転身された背景には、何があったのでしょうか。

エンジニアが嫌になったわけじゃなくて、むしろ今でも好きなんですけど、それ以上にGaudiyを成長させたい、事業をグロースしたい、という気持ちが強かったんです。

きっかけは、昨年エンジニアとして携わった、ある大型IPの案件でした。弊社のファンコミュニティサービスは、SaaS的なモデルで様々なIPがワンプロダクトを利用する形なので、プロダクトの機能開発においては「汎用性があるかどうか」が重要です。

一方でIP企業からは、「独自の機能をつくってほしい」「こういうコミュニティにしたい」といった様々なご要望をいただくんですね。そのプロジェクトの進め方が、どうしてもウォーターフォール的になってしまって、このままじゃ良くないなというのをすごく感じていました。

でも、これはプロジェクトを担当する「人」の問題ではなく、組織の体制だったり、開発のプロセスだったり、その「仕組み」が根本の問題だろうなと。そして、そこを変えられるようなポジションはどこだろう? と考えた時に、行き着いたのがPdMだったんです。

実は当時、PdMという職種はGaudiyに存在していなかったのですが、自ら役割をつくって開発組織の体制変更から着手しました。

開発メンバー全員と数回の1on1をして、意見やwillをヒアリングしながら現実的で納得感のある組織体制をつくっていくのは、正直かなりしんどかったです(笑)。でも、今後のGaudiyの成長のためには、今ここでやっておかないともっと苦しくなるという思いで、なんとかやり切りました。

目指すはユニコーン。一大プロジェクトの成功へ

ーー最近では、『機動戦士ガンダム』(以下、ガンダム)の案件も担当されていますよね。どんな役割を担っていますか?

ガンダム案件では、IP担当PdMとして、クライアント担当者との要件すり合わせや、開発リソースの社内調整、チームのプロダクトマネジメントなどを行っています。クライアントからのご要望に応えつつも、複数のコミュニティで汎用的に使える機能を開発する必要があるので、技術面を考慮できるPdMが打ち合わせに同席する形で進めていますね。

ーー大型IP案件のPdM。プレッシャーも大きそうです。

プレッシャーは半端ないです(笑)。ファンのためのコミュニティを作るためには、ファンのことをよく知らないと、もちろん良いものは作れない。けれど当初の僕は、ファンのこと以前に、ガンダムについてすらよく知らなかったんですよね。なのでPdMを担当することになってから、ガンダムシリーズのアニメを見たり、ガンプラを作ってみたりして、まずはIPを知ることから始めました。

そうして調べていくうちに、次にぶつかった壁は、ファン属性が幅広いことでした。というのも、ガンダムには40年以上もの歴史があるので、年齢層も違えば、アニメシリーズによって様々な考えを持つファンの方々がいます。そのため、どのようなコンセプトで、どのように優先順位をつけてコミュニティを作っていけばよいのか、ものすごく悩みましたね。

でも、クライアント担当者の方が一緒に考えてくださって。とても助けられましたし、改めてクライアントやファンと共創することの難しさと楽しさを知りました。

あとは社内も、周りの人にすごく支えてもらったなと思っていて。綺麗ごとでもなんでもなく、他のPdMやエンジニアが「ここ、大丈夫ですか」みたいにめちゃくちゃ助けてくれて。開発リソースの調整も対立関係にならず、むしろ積極的に拾いに来てくれたので、すごく助かりました。

ーー最後に、今後、三島さんが探求していきたいことを教えてください。

昨年の夏頃から取り組んできたガンダム案件は、株式会社バンダイナムコエンターテインメント様のパブリッシングの元、今年の3月に無事クローズドβ版テストを開始することができました。

Gaudiyは現在、ユニコーン企業になるという大きな目標を掲げています。そのための大きな要素のひとつに、ガンプラファンコミュニティの成功があると思っているので、まずは正式リリースに向けて、ガンプラファンコミュニティの世界観をクライアント企業の方々とともにしっかりと描く。そして、それをチームで実現させる。それが、探求していきたいことのひとつです。

また先日、職能代表選挙という制度によって、プロダクトオーナー(以下、PO)に就任することになりました。決まった当初はプレッシャーがやばかったですが(笑)、今は無謀な挑戦ができることにワクワクしてますね。

僕たちのコミュニティサービスは、「ファンのための国家」を実現するためのプロダクトです。一見、無謀に感じられるかもしれませんが、確実にできると信じています。

そのためには、プロダクトを大きくすること、国民にとってより居心地の良いコミュニティを提供することがすごく大事です。POとして、この半年でGaudiyメンバー全員が、自分たちのプロダクトに誇りを持っている状況をつくり、1年以内にPMFを達成させたいと思います。

(取材・文:吉井萌里、編集:山本花香、撮影:HIROSHI TSUNODA)


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